ヘリテージについて

十周年を迎えて

皆様のヘリテージに対するご賛同とご協力に、心より感謝いたします。

 さて、いよいよ今年は十周年。右も左も分からず、手探りで、ただただ一生懸命、前に進む事しかできなかった第一回目を思い出します。

 当初、富士山周辺の大自然を、次世代の子供たちに残そうという主旨で行われました。ところが、大人たちの欲や他を認めない狭い心のせいで争いごとをおこし、世界の罪のない子供たちがその犠牲者になっていることをユニセフの手紙によって呼び起こされ、自然環境も大事だけれど、「その子供たちに私たちができることをしよう!」と、私たちの気持ちも変化していったのです。

 初回の反省をバネに、どんどん演奏がうまくなっていくバンドの皆さんたち、回を重ねるごとに斬新に生まれゆくアイデア、また、イベントの準備や進行がスムーズになっていくスタッフたち。今思えば、私たちはヘリテージによって育てられました。

 その中でも、よりいっそう大きく形になっていったものがあります。それは「出逢い」です。9年の間に、何千人かの素敵な人たちと出逢う事ができました。カンボジアのチェレ村の子供たちとも出逢いました。子供たちを励ましに行ったつもりが、逆に私たちに勇気と元気を与えてくれ、現代社会の過剰なまでの便利な多くの物によって忘れかけていた「真に生きる」という事まで思い起こさせてくれたのです。

 ただ知っているとか、通り過ぎて行く人は沢山いるでしょう。過去のヘリテージのメンバーの中にも、残念ながら「通り過ぎた人」となった人も大勢います。しかし、それ以上に、人生の宝物となった友達も沢山いるのです。私は、ヘリテージを通じ、この素晴らしい「出逢い」で、大切な何かを得ていただきたい、そして育んでいただきたいと、切に思います。

 皆さんご存知のように、このイベントは、「人の気持ち」で作られています。メジャーなプロのアーティストでさえギャラはなく、同じように1000円払って出演してくれるのです。ここに参加するすべての人は、同じ気持ちの中にいるのです。大変な苦労もあるでしょう。しかし終わった時に、光り輝く「出逢い」になれば大変嬉しく思いますし、それは人生にも大きな影響を与える事でしょう。今年も皆さんとの「出逢い」を楽しみにしております。
 

 

2008年7月

ヘリテージ・ジャパン 代表:山下幹仁